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マウスピースで非抜歯矯正を考えている方へ

マウスピースで非抜歯矯正を考えている方へ

マウスピースで非抜歯矯正

非抜歯矯正の判断

近年、マウスピース矯正の人気が急速に高まっています。それはマウスピース矯正の装置が目立たちにくく、患者様ご自身で着脱できることに加え、「非抜歯矯正」を実現できるという点に惹かれる方が多くなっているからです。しかしながら「非抜歯」か「抜歯」かは、矯正の種類によって決まるものでありません。

そもそも矯正において非抜歯が「善」であり、抜歯は「悪」という捉え方自体が必ずしも正しくはないのです。ここではそんなマウスピースで非抜歯矯正を考えている方に向けて、正しい知識を提供できたらと思います。

今、非抜歯のマウスピース矯正で失敗する人が増えています

歯列矯正に関心のある方は、SNSやネットメディア等で情報を収集していることかと思います。インターネット上には、実際に歯列矯正を受けた方の生の声が発信されているため、これから歯並びの治療を始める方には、参考になる情報もたくさんあることでしょう。その中で最近、目立つようになってきたのが非抜歯のマウスピース矯正で失敗をしたという報告です。

マウスピース矯正と非抜歯というのはセットで語られることが多く、「非抜歯ならマウスピース矯正」という考えも広まりつつあり、矯正治療に携わっている歯科医師からすると健全性を欠いていると感じます。実際、マウスピース矯正だから歯を抜かずに歯並びの治療を行えるということはまずありません。

また、本来は抜歯が必要であるにもかかわらず、無理に非抜歯で歯列矯正を行うと、治療そのものが失敗に終わるどころか、結果として患者さんがさまざまな不利益を被ることから、十分な注意が必要といえます。

矯正で悩む

なぜマウスピース矯正での失敗例が増えているのか?

本来は抜歯が必要であるにもかわらず、非抜歯で無理に治療を行ったケースは、矯正の種類を問わずに失敗する可能性が高まります。それなのになぜマウスピース矯正での失敗例が増えているのか?これはマウスピース矯正で無理な非抜歯矯正を行うケースが多くなっているからです。

歯列矯正の種類は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つに大きく分けられます。ワイヤー矯正は、専門性が極めて高い治療分野で、適切な処置を施せるようになるまでに相応の年月を要します。つまり、歯科医師の免許を持っているからといって、気軽に始められる治療ではないのです。

一方、マウスピース矯正は良くも悪くも敷居の低い治療分野と言えるでしょう。臨床の現場でも矯正歯科領域全般にわたる基本的な教育やトレーニングを受けていない歯科医師がマウスピース矯正を行っている歯科医師が非常に多くなっています。その結果、正しい診断を下すことができず、非抜歯のマウスピース矯正で失敗する症例が増えているのです。

あるいは患者様の「歯を抜きたくない」「非抜歯にこだわりたい」という要望を安請け合いして、非抜歯によるマウスピース矯正を断行するケースもあるでしょう。いずれにしても無理な非抜歯矯正をマウスピースで行っても、患者さんが不幸になるだけなので、分別のある歯科医師に治療を任せることが重要となります。

非抜歯はむしろ危険?抜歯しないと矯正できないケース

歯というのは、一度抜いてしまうと元には戻せません。そのため失敗の可能性が高かったとしても、非抜歯であれば元に戻せるので、抜歯をしたケースよりも患者さんの不利益も小さくなるのでは?と感じるかもしれません。

確かに、誤った診断で抜歯をしたケースに限っては、非抜歯の方がデメリットも少なくなります。しかし、矯正治療における抜歯の判断というのは、正しくあらねばなりません。診断の誤りで抜歯をする歯科医師は論外であるため、ここでは正確な診断を下すという前提で、抜歯・非抜歯の是非を説明します。

非抜歯が危険である理由

悩む女性のイラスト
  • 歯の数が多い
  • 歯のサイズが大きい
  • 顎の骨が小さい

こうしたケースで抜歯をせずに矯正治療を行うと、歯を適切な位置に移動できず、噛み合わせの調整にも失敗することが多いです。また、非抜歯による無理な矯正には、歯肉退縮、歯根吸収、後戻り、口元が突出するなどのリスクが抜歯による適切な矯正よりも高くなる点に注意しなければなりません。

抜歯にまつわる3つの嘘

マウスピースで非抜歯矯正する方法の需要が高まっている背景には、抜歯にまつわる3つの嘘が存在しています。それは抜歯によって「口元が下がる」「ほうれい線が深くなる」「ガミースマイル」という言説です。確かに、抜歯矯正では永久歯を2~4本抜くのが一般的なので、その結果として口腔周囲に大きな変化が現れてもおかしくないようには思えます。そこで抜歯にまつわる3つの症状と矯正治療との因果関係からひも解いていきましょう。

嘘1口元が下がる

口元

嘘2ほうれい線が深くなる

ほうれい線

嘘3ガミースマイルになる

ガミースマイル
嘘1

口元が下がる

矯正治療によって口元が下がるのは、口腔周囲筋の衰えが主な原因となっています。例えば、矯正中は装置による影響でお口を活発に動かすことが難しくなったり、審美的な観点から笑わないように努めたりするケースが多いです。歯の移動に伴う痛みから、硬い食べものは避け、やわらかい食べものばかり口にするようにもなります。その結果として口腔周囲筋が衰え、口元が下がるのです。

ちなみに、矯正で抜くのは比較的小さな小臼歯であり、それを上下左右4本抜いたからといって、口元が下がるような大きな変化が現れることはほとんどありません。むしろ抜歯矯正によって歯並びおよび噛み合わせが正常化され、咀嚼能率も向上することから、口元が下がる・弛む症状の改善が期待できるのです。

嘘2

ほうれい線が深くなる

抜歯矯正が直接的な原因で、ほうれい線が深くなるという言説も正しくありません。ほうれい線の症状も小臼歯の抜歯によって大きく変化するものではないからです。そもそもほうれい線が深くなる主な原因は、加齢による肌のたるみ、表情筋の衰え、紫外線や乾燥による肌へのダメージなので、矯正で歯を抜くこと自体が直接的に作用することは稀と言えます。逆に、抜歯矯正によって噛み合わせが良くなり、表情筋の活動も活発化すれば、ほうれい線が目立たなくなることもよくあります。

嘘3

ガミースマイルになる

ガミースマイルとは、笑った時に歯茎が見えすぎる症状です。その原因は、骨格、歯並び、筋肉、歯茎の4つに分けられます。具体的には、上顎骨が長くて前に出ている、歯の生えている位置が低い、上唇を引き挙げる筋肉の働きが強い、歯茎が過剰に発達しているなどの理由から、笑った時に歯茎が目立ちます。これらは基本的に矯正における抜歯とは直接的な関係がありません。

抜歯に対する否定的な見方は、これら3つの症状によって裏付けられていますが、科学的な根拠は存在していません。むしろ便宜抜歯を伴った正しい矯正を行うことで、改善することが多い症状ばかりなので、巷に広がる嘘に惑わされないようご注意ください。

ワイヤー矯正なら精密な調整が可能です

マウスピースとワイヤー矯正

マウスピース矯正の適応範囲

マウスピースの非抜歯矯正で、失敗や後悔する人が増えている理由として、もうひとつ重要な点をお伝えする必要があります。それはマウスピース矯正の適応範囲がワイヤー矯正より狭いという点です。マウスピース矯正はシステム上、歯を大きく、三次元的に動かすのが苦手な治療法です。抜歯が必要な重症度の高い歯並びや抜歯によって歯を大きく動かさなければならない症例には、適していないのです。それにもかかわらず「マウスピースで矯正すること」を前提としたり、最優先に考えたりして歯並びの治療を始めると、どうしても無理が生じて失敗する可能性が高まります。

一方、ワイヤー矯正は、1本1本の歯にブラケットと呼ばれる強固なパーツを接着し、金属製のワイヤーで水平的にはもちろんのこと、垂直的にも歯を大きく動かせることから、歯並び・噛み合わせを精密に調整することができます。抜歯によって歯の移動距離が延びた場合でも、ワイヤーなら理想的な歯並びを形成できるのです。

どうしてもマウスピース矯正したいという方へ

コンビネーション矯正

コンビネーション矯正

マウスピース矯正は、適応できる範囲が狭く、抜歯とも相性が良くない治療法ですが、それでもなおマウスピースを使った矯正がしたい、という方も一定数いらっしゃいます。そうした方に対して当院では「コンビネーション矯正」をご提案できます。

コンビネーション矯正とは?

コンビネーション矯正とは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせた治療法です。マウスピースの非抜歯矯正では、明らかに失敗するというケースに適応範囲が広く、歯を動かしやすいワイヤー矯正をコンビネーションすることで、成功へと導きます。

例えば、顎の骨が小さく、スペースの不足によって出っ歯や乱ぐい歯になっているケースでは、残念ながら抜歯を避けることが難しいです。そこで前半はワイヤーを用いた抜歯矯正を行い、理想的な歯列のアウトラインを形成します。後半では、マウスピース矯正でも行うことができる歯の細かな移動によって、正常な歯並びを実現します。

コンビネーション矯正の進め方

治療の前半は、装置が目立ちやすいワイヤー矯正で頑張る必要がありますが、後半からは審美性や清掃性に優れたマウスピース矯正で、歯並びの治療を進められます。こうしたコンビネーション矯正なら、患者様のご希望に応えつつ、歯並び・噛み合わせもしっかり治すことができます。

ただし、コンビネーション矯正を行うためには、2つの矯正法の知識や技術を備えていることに加え、臨床で実践した経験が求められることから、歯科医院選びは慎重に行わなければなりません。日本矯正歯科学会認定医が在籍するオリーブ歯科なら、これまでたくさんの患者様にコンビネーション矯正を行ってきた経験がありますので、関心のある方はいつでもお気軽にご相談ください。

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