ガチャ歯とは、ガタガタの歯並びである乱ぐい歯のことで、専門的には叢生（そうせい）と呼ばれています。1歯1歯が別々の方向を向いており、正常な歯列弓を描けていない状態なので、見た目が悪いという審美面のデメリットを被るだけでなく、機能面や健康面においてもさまざまなリスクを伴う歯並びです。とくにひどいガチャ歯は、口腔や全身に深刻な悪影響をもたらすことがあるため、十分な注意が必要といえます。

ガチャ歯になる原因

ガチャ歯になる主な原因は次の4つです。

【原因1】歯が大きい

永久歯は親知らずを除くと全部で28本生えてきます。それを歯槽骨という限られたスペースに並べる必要があるのですが、1本1本の歯が標準よりも大きい場合は、必然的にスペース不足が生じます。その結果、正常な歯列弓から逸脱する歯が出てくるのです。これと同じ理由で歯の本数が多い「過剰歯」でも、ガチャ歯の症状が現れやすくなっています。

【原因2】顎が小さい

永久歯の大きさや本数が正常でも、それを並べるための顎が小さかったら、スペースが不足してガチャ歯となります。これは日本人に比較的多いガチャ歯の原因です。

【原因3】生え変わりの異常

虫歯の重症化や転倒などによる外傷で乳歯を早期に失うと、永久歯が生えてくるためのスペースが塞がれて、ガチャ歯になることがあります。

【原因4】悪習癖・悪習慣

舌を前に突き出す癖や頬杖をつく癖、うつ伏せ寝などの悪習癖・悪習癖は、歯並びを乱す原因となるため注意が必要です。

ガチャ歯を放置するリスク

ガチャ歯を放置していると、次のようなリスクが生じます。

【リスク1】虫歯や歯周病になりやすい

ガチャ歯は、歯ブラシを当てるのが難しく、磨き残しが多くなります。その結果、歯垢や歯石がたまって虫歯・歯周料になりやすくなるのです。

【リスク2】口元のコンプレックスになる

ガタガタの歯並びは見た目が良くないことから、口元のコンプレックスになりやすいです。そのためガチャ歯の人は、ガタガタの歯並びを見られたくないという意識がはたらいて、会話や食事をする時に口元を手で隠す癖がつきます。物事への積極性も失われて、ネガティブな正確になる人も少なくありません。

【リスク3】歯の寿命が縮まる

ガタガタの歯並びは、上下の歯列で正常に噛み合うことがなく、特定の歯に大きな負担がかかります。その歯は、摩耗や咬耗（こうもう・歯のすり減り）が進み、虫歯リスクも上昇することでしょう。深刻なケースでは歯根が折れることもあります。

【リスク4】上手く噛めないため胃腸に負担がかかる

噛み合わせが悪いと、食べ物を上手く噛めないことから、大きな食塊のまま飲み込まなければなりません。そのしわ寄せは消化器である胃や腸に及びます。

【リスク5】口内炎ができやすい

ガチャ歯の一種である八重歯は、犬歯が歯列の外側に出ているため、口唇の内側の粘膜を傷つけやすいです。その他のガチャ歯も生えている状態によっては、頬の内側の粘膜を傷つけるなどして口内炎を生じさせます。

ガチャ歯は、歯並びの問題なので自力で治すことはできませんが、矯正治療で改善できます。いわゆる歯列矯正は、1歯1歯の傾きや生え方の異常を細かく整えることができる治療法なので、ガタガタの歯並びも理想的な歯列弓に変えられます。

歯列矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つに大きく分けられますが、ガチャ歯の場合は前者の方が効率良く治せることが多いです。ワイヤー矯正には、装置を歯列の表側に固定する「表側矯正」と裏側に固定する「裏側矯正」の2種類があり、審美面を優先したい方には、後者をおすすめしております。

ガチャ歯の治療にワイヤー矯正が向いている理由

ワイヤー矯正では、個々の歯の任意の場所にブラケットを接着して、金属製のワイヤーを通します。ワイヤーも微調整が可能なので、1歯1歯を3次元的に効率良く動かせます。これはデコボコの歯並びを治す上で有利に働く特徴といえます。

ひと言でガチャ歯と言っても、症状の重さは患者様によって大きく異なります。ガチャ歯の症状がひどいケースでは、そもそも矯正で治すことは難しいと諦めている方もいらっしゃることでしょう。その点はご安心ください。ひどいガチャ歯の背景には、顕著なスペース不足が見られますが、その問題は便宜抜歯を行うことで解決できるケースが多いです。

著しいスペースが見られるにも関わらず、無理に非抜歯でひどいガチャ歯を治そうとすると、口ゴボなどの新たな問題を引き起こしかねないため十分な注意が必要です。オリーブ歯科は、これまでもひどいガチャ歯をワイヤー矯正で治してきた経験がありますので、まずはお気軽にご相談ください。当院では、ガタガタの歯並びをワイヤー矯正で大まかに整えて、細かな調整は審美性や快適性に優れたマウスピース矯正を活用するコンビネーション治療にも対応しております。