いずれもセラミックを使った装置ですが、インレーは比較的狭い範囲を修復する詰め物で、多くは線状あるいは十字形をしています。アンレーはインレーよりもやや広い範囲を修復する装置で、歯の噛む部分にある咬頭（こうとう）という突起まで覆うのが特徴です。クラウンは被せ物という呼び名からもわかるように、歯冠全体を装置が覆います。つまり、修復する範囲はインレー、アンレー、クラウンという順番で広くなります。

セラミックインレーは、3～4回程度の通院で治療が完了します。患者さんの歯の状態によっては、通院がもう少し長引くこともあります。

セラミックインレー自体が虫歯になることはありません。セラミックは、いわゆる陶器であり、虫菌が作る酸によって溶かされることはないからです。ただし、セラミックインレーを装着した歯は天然の歯質で構成されていることから、治療後のケアが不十分だと虫歯になる可能性が出てきます。

一般的には、10～15年程度といわれています。セラミックインレーを装着した後のケアやメンテナンスをしっかり行っていれば、より長く使い続けることも難しくありません。逆に、ケアが不十分だと10年も経たないうちにセラミックインレーが使えなくなることもあります。

基本的に医療費控除の対象となります。通院でかかった交通費や治療中に処方された薬剤の費用なども医療費控除で申請できますので、翌年の確定申告の期間までに情報を整理しておきましょう。ただし、審美性の向上だけを目的としたセラミックインレーによる治療は、医療費控除の対象外となります。その点は事前にきちんと確認しておくことが大切です。