良い歯並びとは(矯正治療が向かうべきゴールについて)
矯正治療を始める前にまずは旅行をするときを思い出してください。
みなさんが普段行かれている通常の旅行は行きたい行先と移動手段、旅行期間、予算などを綿密に計画を立て実行されていると思いますが、ほかには未開の地に探検隊が臨む冒険旅行もあります。
歯科の治療でいうと古い銀のつめ物が合っていなくて虫歯が出来て痛みが出て、今すぐに治療が必要な緊急性があり、銀歯を外してみないと虫歯がどれぐらい大きくなっているかわからず、外してみたら虫歯が大きく神経を抜くことになってしまうような治療は冒険旅行に例えられます。
しかし矯正治療は痛みなどの緊急性がなく治療計画を立てた上で行う治療で、どんな歯並びになるか治療のゴールとそれに至るために必要な装置の種類や費用、期間など、明確に提示されたうえで行うものであり、皆さんが普段行かれている通常の旅行と同じ準備の下に行われます。
永久歯での歯列矯正においては第二大臼歯が生えそろった12歳以降からようやく歯列矯正の時期になります。12歳から成人に至るまでの永久歯列の矯正治療(いわゆる歯列矯正)では次の3つの目標をたてて治療を行う必要があります。
歯並びが良く(歯列が整列して並んでいる)
かみ合わせが良く(大臼歯アングル1級、犬歯1級ですべての歯が咬頭嵌合をしている)
顔に対して口元が出ていない(くちゴボ)
そのために精密検査を行い様々な診査項目を分析し最適な治療方向を元に診査診断をし、患者さんとともに治療方針の決定を行います。そのため日本矯正歯科学会には認定医制度があり大学病院をはじめとする矯正歯科専門医療機関に在籍して、厳しい試験を受けた歯科医師のみが
矯正の専門医である『日本矯正歯科学会 認定医』として認められます。
日本矯正歯科学会 認定医について
一般的に矯正専門医と呼ばれている資格で、当学会に5年以上在籍し指定の要件を満たしたうえで厳正な試験を受け、合格してはじめて認定される資格で5年ごとに更新が必要です。
2021年3月現在2,600人ほどの歯科医師に与えられている資格です。オリーブ歯科の院長である安藤如規も日本矯正歯科学会認定医の一人です。
認定医の試験では永久歯の全顎矯正の患者様のレポートを提出したうえで、
以下のような診査項目をクリアして初めて認められます。
①歯並びが良く(歯列が整列している)
②かみ合わせが良く(大臼歯アングル1級、犬歯1級ですべての歯が咬頭嵌合をしている)
③顔の正しい位置に前歯が並んでいる(顔に対して口元が前に出っぱっていない)
認定医以外の先生でもきちんと勉強されて正しい矯正治療を行っている先生もいらっしゃいます。
ご自分やご家族の大切な治療である矯正治療を始めるにあたっては、セカンドオピニオンも含めて担当医とともにしっかりと治療計画を話し合い、冒険旅行にならないように正しいゴール(治療目標)を設定して正しい移動手段(矯正時期・矯正装置)を選んで旅立つことをお勧めいたします。
日本矯正歯科学会認定医 申請用提出記録簿
※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。